2023.12.15 Fri
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社会知性フォーラムを北上市で開催
「地域経済の活性化とマーケティング」テーマに

専修大学の研究力、教育力を発信する「社会知性フォーラム」が12月9日、岩手県北上市で開催された。専修大学、専修大学北上高校主催、北上市、石巻専修大学共催。北上市での開催は4年ぶり4度目となり、生徒や市民約150人が参加した。

今回のテーマは「地域経済の活性化とマーケティング」。河藤佳彦経済学部教授と、李東勲石巻専修大学経営学部教授が講演。地域ブランドや特産品を用いた地域経済の活性化について参加者とともに考えた。

河藤教授は「地域資源を活用した地域ブランド戦略によるまちづくり」をテーマに講演。「地域ブランド戦略とは、地域発の商品?サービスのブランド化と、地域イメージのブランド化を結び付け、持続的な地域経済の活性化を図ること」として、産業や自然、歴史文化を活用した地域ブランド戦略の実例を紹介した。「新しいマーケットを開拓して付加価値をプラスしていくことが重要。そのためには地域資源の掘り起こし、その有効活用、地域ブランド戦略を相互に行っていく」と述べた。
20231215社会知性フォーラム_03▲地域ブランド戦略による
まちづくりについて語る河藤教授
20231215社会知性フォーラム_04▲特産品とマーケティングについて解説する李教授

李教授は「地元特産品の知名度を向上させるためのマーケティング」と題して講演。石巻専修大学経営学部の学生による、特産品の海苔を使った新商品開発について紹介した。ターゲット設定や、商品の内容など紆余曲折を経て、企画から販売まで2年をかけたペースト状の食品「のりうらら」は完売。現在は第2弾の商品開発に挑戦している。李教授は「マーケティングは万能ではない。あきらめず、地道に取り組む姿勢が大事だ」とまとめた。

パネルディスカッションでは、専大北上高校グローカルビジネス科の田口裕道科長と生徒6人が、11月に市内で開催した「専北マルシェ」について報告した。
専北マルシェは1、2年生がチームを組み、地元の飲食店などと連携してさまざまな商品を販売する学科独自の取り組み。事業者の選定、価格設定、利益分配などをチームで考え実践する。
ハンバーグ弁当を販売した2年生女子は150個を完売。「商品を売るまでの準備の大変さを実感した」と話した。一方、アイスクリームを販売した2年生男子は「マルシェでは接客やお金の管理の大変さを知った。今後に生かしたい」と振り返った。
20231215社会知性フォーラム_05▲専大北上高校生が
「専北マルシェ」の取り組みを紹介
河藤教授は「実践を高く評価したい。更に戦略的に、大きな目標を掲げて取り組んでいけば地域社会への波及効果が大きくなる」と評価。李教授は「結果を分析して、次にどうつなげるか。そうした積み重ねが皆さんを成長させてくれる」と述べた。
20231215社会知性フォーラム_01
20231215社会知性フォーラム_02
▲あいさつする佐々木重人学長(左)と北上市の八重樫浩文市長

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