2022.03.05 Sat
ONLINETOPICS
「学長伝書鳩」No.18
ウクライナに即時平和を!

2月24日、ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻が始まりました。
最も憂うことは、この軍事侵攻によって、ウクライナの無辜の市民の命が奪われている現実にあります。避難先で身を寄せ合い、恐怖と不安の表情を浮かべる親子の映像、キーウなどの市街地やザポリージャ原発がロシア軍によって砲撃を受けている様子が報道されております。願いは、ただひとつ、直ちに戦争を止めてほしい。
■国連の存在価値が問われている
国連憲章の前文には、「われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認」することが謳われ、国連の目的(第1条)の一つは、「国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。」と述べております。
国連憲章第23条は、世界の安全保障に積極的にコミットする機関として、ロシアを含む5カ国が常任理事国を務める安全保障理事会を設けることとしております。そして安全保障理事会の位置づけについて、「国際連合の迅速且つ有効な行動を確保するために、国際連合加盟国は、国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任を安全保障理事会に負わせるものとし、且つ、安全保障理事会がこの責任に基く義務を果すに当って加盟国に代って行動することに同意する」(第24条)と謳っております。
しかし、今回のロシア軍の軍事侵攻に係る安全保障理事会での一連の会議の推移をみると、国連加盟国の同理事会への信頼感が揺らぐのではないかと深く憂慮いたします。
もう一度、私は、申します。「直ちに戦争を止めよ!」