2019.10.17 Thu
ONLINETOPICS

日本語学科が白河市立図書館で講演会開催 「岩淵悦太郎と国立国語研究所の白河言語調査」

abm00041482
文学部日本語学科が主催する講演会「岩淵悦太郎と国立国語研究所の白河言語調査」(後援:白河市、白河市教育委員会、国立国語研究所)が、9月29日、福島県の白河市立図書館「りぶらん」で開催された。

この講演会は、斎藤教授が代表者を務める科研費?基盤研究(C)「1940-1950年代の日本語政策史研究の精緻化に関する緊急調査」及び国立国語研究所共同利用型研究「日本語研究の戦前と戦後―国立国語研究所草創期に関与した研究者を通して明らかにする日本語の研究史」の調査を進める中で、白河市立図書館の田中伸哉館長の助言を受けて実現したもの。
abm00041483▲言語調査の意義について講演する阿部准教授
当日は、白河市出身の日本語学者で国立国語研究所の所長を務めた岩淵悦太郎(1905~78年)の学問的功績について文学部?斎藤達哉教授(日本語史?国語施策史)が、岩淵が1949年に白河市で実施した言語調査の意義について文学部?阿部貴人准教授(社会言語学)がそれぞれ講演を行った。

阿部准教授は、「1949年の白河言語調査は、いまだに学界で高い評価を得ている。また、『共通語』という概念は、白河言語調査によって生まれた」と語った。
また、斎藤教授は、講演会を振り返って、「白河言語調査については、資料が散逸してしまい、報告書に記載されたこと以外は分からないことが多い。今回、来場者の中から、『当時、言語調査の対象者だった』と名乗り出てくださった方がいたので、今後、インタビューを実施して、当時の様子を伺いたい」と話す。

講演会の後半には、丸岡美優さん(文2)、志村映奈さん(文2)、織口花菜子さん(文3)が岩淵や白河方言についての研究発表を披露し、好評を得た。
abm00041485▲発表する志村さん

【 発表した学生たちの感想 】

丸岡さん:「学外の方々の前で発表を行うのは初めてで、とても緊張しましたが、方言に直に接することができ楽しかったです」

志村さん:「熱心にメモを取っている方、こちらの問いかけに答えてくださる方が非常に多く、時間をかけて準備をしたかいがあったと実感しました」

織口さん:「会場で、白河方言についてのアンケートも行ったので、その結果の分析を進め、白河市立図書館を通して市民の方々にフィードバックしていければと考えています」

なお、日本語学科?斎藤ゼミナールでは、2018年度にも、教員と学生がパンフレット「白河出身の日本語学者 岩淵悦太郎を知っていますか?」を合作し、白河市立図書館で無料配布している。
abm00041488▲ゼミで作成したパンフレット

関連情報