Beyond Borders―渋谷敦志写真展(2021) 関連図書

渋谷氏の写真から浮かび上がってくる「紛争?難民?民族問題」や「災害の地で生きるということ」、「子どもたちの暮らし」といったテーマに関する図書館所蔵資料をご紹介いたします。これらの本をきっかけに、世界の現状や今後の社会について関心を広げていただければと思います。また、渋谷氏の著作や、氏が影響を受けた写真家の本を「写真家?渋谷敦志の軌跡」としてまとめました。「フォトジャーナリズム」が伝えることは何か、より広く深く触れていただけるような資料もご紹介しています。

一部資料を除き貸出できますので、ぜひご利用ください。





■渋谷敦志氏 著作
< 著書 >
今日という日を摘み取れ_250 まなざしが出会う場所へ-越境する写真家として生きる 回帰するブラジル 希望のダンス-エイズで親をなくしたウガンダの子どもたち
今日という日を摘み取れ : 渋谷敦志写真集 / 渋谷敦志著.-- サウダージ?ブックス; 2020.11. まなざしが出会う場所へ : 越境する写真家として生きる / 渋谷敦志著.-- 新泉社; 2019.1.
回帰するブラジル : 渋谷敦志写真集 / 渋谷敦志著.-- 瀬戸内人; 2016.7.
希望のダンス : エイズで親をなくしたウガンダの子どもたち : 子どもたちのまなざし写真絵本 = Dance for Hope : children of Uganda who lost their parents to AIDS : photo anthologies of childhood visions / 渋谷敦志写真?文.-- 学研教育出版; 2015.6

< 共著 >
国境の医療者_250 みんなたいせつ-世界人権宣言の絵本 シャプラニール流 人生を変える働き方 ファインダー越しの3.11
国境の医療者 / メータオ?クリニック支援の会編 ; 渋谷敦志写真.-- 新泉社; 2019.4. みんなたいせつ : 世界人権宣言の絵本 / 東菜奈構成?訳 ; 渋谷敦志写真.-- 岩崎書店; 2018.11. シャプラニール流人生を変える働き方 / 藤岡みなみ, 2025PROJECT著 ; 渋谷敦志写真.-- エスプレ; 2013.10. ファインダー越しの3.11 / 安田菜津紀, 佐藤慧, 渋谷敦志著.-- 原書房; 2011.12.



■写真家?渋谷敦志氏の軌跡

渋谷氏は高校生のときに一ノ瀬泰造の本『地雷を踏んだらサヨウナラ』に出会い、報道写真家を志します。
また、ベトナム戦争取材中に亡くなった沢田教一や、水俣病を伝えたユージン?スミスらの仕事にも憧れました。大学2年生のときに、大阪で開催された写真展「WORKERS」で写真家セバスチャン?サルガドの作品世界と出会ったのは決定的でした。サルガドのような報道写真家になろう、という思いからサルガドの出身地ブラジルで働きながら本格的に写真を撮りはじめ、渋谷氏の写真家人生は幕を開けました。


●一ノ瀬泰造(1947 ? ?)

佐賀県生まれ。フリーの報道写真家として、バングラデシュ、ベトナム、カンボジアの激動地帯を取材、グラフ誌や週刊誌などに写真が掲載された。26歳の誕生日を迎えたばかりの1973年11月、「地雷を踏んだらサヨウナラ」と友人への言葉を残し、カンボジアのアンコールワットに向かったまま消息を絶つ。9年後の1982年、両親により遺骨が確認された。1978年、写真?書簡集『地雷を踏んだらサヨウナラ』が発刊された。


●沢田教一(1936 ? 1970)

青森県生まれ。1961年、米UPI通信東京支局にカメラマンとして入社し、1965年ベトナムのサイゴン支局に移る。同年、米軍の爆撃を受ける村から逃げるベトナム人母子が川を歩いて渡ってくる姿を撮影した写真「安全への逃避」が世界報道写真コンテスト大賞を受賞。1966年にはピュリッツァー賞を受賞した。1970年10月、取材先のカンボジアで銃撃を受け34歳でこの世を去る。


●セバスチャン?サルガド Sebasti?o Salgado(1944 ? )

ブラジル出身の写真家。1969年、軍事政権下のブラジルを逃れてフランスに亡命。経済学を学びエコノミストとしてロンドンの国際コーヒー機構で働いたが、アフリカ訪問をきっかけに1973年フリーランスの写真家へと転身した。現地に赴き、撮影対象と共に生活したり、手や膝を地面につけて動物にアプローチしたりするなど、時間をかけて被写体に向き合う密着した取材スタイルで、数々の緻密かつ美しい作品を生み出す。人々の苦悩や人間の尊厳、種の起源の撮影に取り組み続けている。