TEACHERS
- 石巻をチャレンジフィールドに
- 大学で学んだことを発信し
- 地域の中でもっと深めていこう
- 石巻?川のビジターセンター
- センター長平井 和也 様
経歴を教えてください。
特定非営利活動法人 海の自然史研究所(以下、海研)で、石巻?川のビジターセンターを活用してエコツーリズム※1および環境教育の推進を図る事業(フィールドミュージアム事業※2)の事務局を行っています。
元々は東京の企業に勤務し、その後沖縄で環境に関わる事をしていましたが、東日本大震災をきっかけに移住。川のビジターセンターがあるこのエリアが三陸復興国立公園に編入されたため、海研がその拠点づくりを担うことになりました。
海研の活動趣旨は“海を知る。をみんなに”。海は人間活動の顛末(てんまつ)を表す場所で、海の状況で、自分たちの暮らしが自然と調和しているかどうかが評価されると考えています。
石巻の美しい景観や豊かな自然を保全しながら、持続可能に活かすワイズユース※3の取り組みとしてのエコツーリズム?環境教育を進めています。
多くの方に海で起こっていることを知り興味を持ってもらうためには、海が魅力的であることが重要で、そんな海がある石巻は、私たちの活動をするのに適している環境だと思っています。
※1 自然や歴史文化を対象とし、それらを体験し、学ぶとともに、対象となる地域の自然環境や歴史文化の保全に責任を持つ観光のありかた
※2 地域内にある歴史?風土?文化そのものを博物館又は美術館に見立て、地域に住んでいる人や地域に訪れた人が互いに価値を発見していく仕組み
※3 直訳すると賢明な利用となりラムサール条約において提唱された考え方で、もともとは”湿地の生態系に配慮して持続可能に利用すること”であるが、最近は湿地に限らずさまざまな自然、国立公園などを対象としても用いられる
本学との関わりを教えてください。
川のビジターセンターがある石巻市?北上地区に生物科学科の先生が住んでいらっしゃり、先生のお子さんが川のビジターセンター主催のキャンプに参加されたことから交流がスタートしました。
現在は1年次を対象とした「いしのまき学」での講演や、生物科学科の学生を中心に、川のビジターセンターで開催しているイベント運営に協力いただいています。
イベント補助として参加した学生たちは、川のビジターセンターの活動に興味関心を持って参加してくれる子達ばかりです。
川のビジターセンターと石巻専修大学は少し距離がありますが、今より一層大学と連携し、互いが行き来し合う関係づくりを行っていきたいと感じています。
石巻の面白いと思うところを教えてください。
石巻は、海や川、森もあり、自然がコンパクトに集約された環境で、その恵みを、食を中心に存分に受けられます。そして他の国立公園や、沖縄などの自然にも負けないくらい美しい…。これを持続的に活かされていくことが地域の未来にとって重要なことです。この自然を維持していくためワイズユースの仕組みづくりをさまざまな視点から学び、考えていけるのではないでしょうか。
現在、地球温暖化や海洋ごみ、生物多様性の減耗、資源枯渇など環境問題で日本、そして地球は危機的な状況にあります。打開策を出したり、順応策を実現したりしていくことが喫緊の課題です。石巻という地域が、この課題に対峙していく他地域のモデルとなるよう大学が関わることにより、学生さんたちが多くのことを学び成長できる機会となるのでは?と思っています。
学生に期待することは何ですか?
学生さんたちには大学での学びを深めるために、「石巻」を活動のためのチャレンジフィールドとして活用していただきたいです。その一つの活動の場が川のビジターセンターとなることを期待しています。
川のビジターセンターは、石巻周辺をフィールドミュージアムとして、子ども達をはじめ多くの人たちに石巻の自然の豊かさを伝えていく活動に取り組んでいます。対象は地域内外の人たちで、その人たちに石巻の豊かな自然を伝えていきたいです。
その活動に、自然に興味がある学生さんや、学芸員を目指す学生さんたちを中心に参加していただきたいです。
そして最終的には学生さんたちだけでなく、大学全体を巻き込んで取り組んでいきたいと考えています。大学が教育?研究の場として石巻の自然でフィールドワークを行い、その情報に基づいて、川のビジターセンターが一般市民や観光客に自然の魅力を伝える機会をつくって発信するといった、お互いが役割を担い、石巻の自然が全国に認知されるよう努めていきたいです。
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