?地域(首都圏?地方都市~東アジア)における中堅?中小企業、社会企業家の研究[担当:遠山 浩]
ゼミナール名称 | 地域(首都圏?地方都市~東アジア)における中堅?中小企業、社会企業家の研究 |
研究テーマ | 豊かな成熟社会では多様化し高度化する需要への対応が求められるため、近年はオープン?イノベーションへの取り組みに関心が高まっています。一方、成熟社会は多くの社会課題を抱えるため、その解決に向けたソーシャル?イノベーションへの関心も高まっています。当ゼミでは、これらの基礎的な知識?理論を学ぶとともに、フィールド調査を通してイノベーションがうまれるメカニズムを考察していきます。なお、フィールド調査は、地元?川崎市と毎年選定する地方都市の2ヶ所で主に実施します。 |
ゼミナール所属 | 経済学部経済学科 |
学修内容 | ゼミの活動は3年生が中心で、2年生はOJT的に3年生とともに活動していきます。2016年度は以下の3本柱を軸に活動しました。 (1)「高津ものまちづくり会」への参加を通した川崎市の中堅?中小企業、産業研究 (2)「多摩区 大学連携事業」への参加を通した社会企業家の取り組み情報が地域で円滑に流通する仕組みの提案 (3)「長岡合宿」(9月)を通した地方都市の中堅?中小企業、産業研究 4年生は、上記活動に可能な範囲で参加するとともに、各自で設定したテーマにそった卒業論文を書き上げます。 なお、活動3本柱の内容については、後掲をご参照ください。 |
ゼミ生の人数 | 2年生:16人(男性13人、女性3人)、3年生:15人(男性11人、女性4人)、4年生:8人(男性4人、女性4人) |
開講日時など | 毎週月曜日4限、5限 |
卒業論文?卒業研究 | 企業、産業、地域に関連するテーマを各自が設定し書きあげた卒論を、図書館に所蔵できる水準の装丁の論集にまとめます。一生残る立派な装丁の論集ゆえ、同級生に見劣りする内容では恥ずかしいということもあってか、しっかりした卒論を書きあげてきます。なお、2016年度卒業生の卒論テーマは以下のとおりです。 (1) 産業集積におけるイノベーション (2) 大都市圏の中で生きる町工場の取り組み (3) 人口減少問題を食い止めるには (4) 川崎市中小企業の技術をブランド化するには (5) 川崎市中小企業の企業間連携 (6)行動経済学の概要と実際の店舗への応用 |
サブゼミナール | 教員は、ゼミ生に対して研究テーマを設定しそれを検討するフィールドを与えますが、研究成果はゼミ生に任せています。研究テーマの発表にはそれぞれ期限があり、また研究フィールドを与えていただいた企業や行政の方々向けに発表します。恥ずかしくない成果をあげるためには、週1回のゼミ時間だけでは足りず、ゼミ生相互間で適宜ミーティングを実施しています。 |
ゼミナール合宿 | 2016年度は新潟県長岡市で合宿を実施し、企業訪問ならびに企業?行政の方々との意見交換をとおして、長岡の産業研究を深めました。各参加者が個人レポートを作成するほか、3年生は合同で報告論文を作成し、4年生の卒論作成に備えます。 【参考:過去のゼミ合宿実績】 栃木県鹿沼市(2012年度)、新潟県柏崎市(2013年度)、茨城県ひたちなか市(2014 年度)、富山県氷見市(2015年度) |
対外活動など | 生田キャンパスの地元川崎市で、川崎市役所?川崎市産業振興財団ならびに川崎市の中堅?中小製造業、社会企業家の方々との往来を重ねさせていただいています。2016年度は、以下の2つを中心に活動しました。 【高津ものまちづくり会】 高津区には多くの中小製造業が操業し京浜地域の産業集積を支えていますが、近年多くの住宅も立ち並んでいます。言い換えると、住工混在という潜在的な社会課題に直面しているため、当地での操業継続を望む町工場は自身の活動を地域住民に伝えることが重要と考え、川崎北工業会、下野毛工業協同組合、川崎フロンターレ、専修大学遠山ゼミ、高津区役所が協力し、2012年に高津ものまちづくり会は設立されました。2016年度は以下の活動を実施しました。 ◆川崎北工業会オープンファクトリー(6/4、久地?宇奈根地区) ◆高津ものづくりフェアin等々力(9/10、等々力緑地公園) ◆下野毛工業協同組合ふれあいフェスタ(10/23、下野毛地区) ◆川崎市立南原小学校5年生向け北工業会工場見学前事前学習授業(11/17) ◆てくのまつり「ものまちプラザ」出展(2/19、てくのかわさき) ゼミ生はそれぞれの活動に参加し、企画から運営まで関与させていただいています。2017年度も同様の場で活動を深めていきます。 【多摩区 大学連携事業】 多摩区は首都圏の中でも比較的早くベットタウンとして開発が進んだ地域であるがゆえに高齢化問題に直面する一方で、近年は子育て世代が増えているものの相談する場がないといった課題もうまれています。そこで多くの社会企業家が出現し社会課題の解決に取り組んでいますが、彼らの活動が必ずしも周知されていません。この周知を目指して設立された「マグネット多摩」のチラシギャラリー機能を強化するための方策を、マグネット多摩を運営する地域のシニア層とゼミ生が協働して2016年度に検討し、マグネット多摩のホームページ(http://www.tamaku-machikyo.com/magnet-tama/)を改善するなどの成果をあげました。 |
OB?OGの進路 | 銀行、金融機関、製造業、サービス業、公務員 |
教員紹介 | 私は大学を卒業して23年間、銀行、ベンチャーキャピタル、買収ファンド等で働いてきました。この中で多くの中小企業やベンチャー企業と接してきました。5年を超える長期間の融資、未公開株への投資といったリスクの高いファイナンスに関わってきましたので、投融資前の分析はもちろんのこと、その後のモニタリングやガバナンスも重要な課題でした。投資先企業の社外役員として企業改革の陣頭指揮をとったり、IPO(株式公開)を目指すベンチャー企業の創業者と共に苦しんだこともあります。また、93年の北京大学経済学院留学を契機に中国各地で活動するようになります。中国企業向けリースを行う最前線部隊として遼寧省瀋陽市に駐在したこともあります。 2002年から専修大学が神田で開講している社会人大学院で経済学を学び直したのですが、実社会を改めて見ると「できるやつは経済学を知っている/実践している」と実感しました。経済理論を指針として活動している人がいるとは思えませんが、できる人の活動を経済学を用いて考察すると、理にかなっていることが本当に多い。すなわち、彼らは野生の勘というか、自然に振る舞う中で経済学を実践しているわけです。これに対して、私を含めた凡人はそうした野生の勘を十分には持ち合わせていないため、いろいろ失敗したり、遠回りしたり、挫折したりします。もちろんそうした失敗や遠回りを回避することばかり考えても仕方ありませんが、経済学を理解しそれを社会で実践するというアプローチを意識することで、より早く、より深く、目的に到達することは凡人でも可能です。ゼミナールでは、座学とフィールド調査をとおして、こうした点を実感する機会を提供します。 研究実績などにつきましては、研究者情報データベースをご参照ください。 遠山 浩[専修大学研究者情報システム] |
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[2017年1月更新]